膝蓋骨脱臼(パテラ)

 

こんにちは!動物看護師の片野です!

一気に秋になりましたね!

気温も下がったので風邪引かないように気をつけてくださいね!

 

 

今回は膝蓋骨脱臼(パテラ)について書いていこうと思います!

よく、診察の時に獣医さんから『膝のお皿が外れやすいね』と

言われた事がある飼い主さんはいるんではないでしょうか?

 

膝蓋骨とは膝にあるお皿の事です。

 

通常しっかりと膝のお皿が溝に乗っかっている状態ですが

正常な位置から外れた状態になってしまうと

片足を上げたまま歩いたりする事があります。

 

内側に外れる状態を『内方脱臼

外側に外れる状態を『外方脱臼』と言います。

内方脱臼の方がよく見られます。

 

 

原因は何なんでしょうか?

先天的な原因として成長期に骨や靭帯、筋肉の形成に異常が生じてしまい

加齢とともに進行してしまいます。

 

後天性な原因として交通事故や高い所からの転落など、

膝に強い力が生じると膝蓋骨が脱臼してしまいます。

 

小型犬に多く、チワワ・トイプードル・ヨークシャテリアなどにみられ大型犬でも見られます。

 

膝蓋骨脱臼には、1~4までのグレードがあります。

グレード1

ほとんど症状は出ません。

触診で膝蓋骨を触ると簡単に外せますが、戻すと正しい位置に戻ります。

 

グレード2

関節がゆるい子や後ろに足を曲げ伸ばしした時や寝起き、

急に立ったりすると脱臼します。無症状の子もいます。

膝を伸ばしたりして自分で治しちゃう子もいます。

 

グレード3

常に脱臼した状態です。

手で膝蓋骨を押せば一時的に元の位置には戻りますが

すぐ外れてしまいます。

びっこ引いた状態や歩行の異常が見られます。

 

グレード4

グレード3と同様、常に脱臼した状態で

手で押しやりしても元に戻らない状態です。

足をずっと挙げっぱなしだったり、歩行異常が見られます。

 

 

治療法として

保存療法や外科治療もあります。

 

保存療法は、痛み止めやサプリメントを使用したり

運動の制限や肥満の場合はダイエットフードに切り替えて減量する事もあります。

または、レーザー治療もする事もあります。

 

症状がほとんどない場合や高齢で持病持ちで全身麻酔が厳しい場合は保存療法をする事があります。

 

外科治療は、痛みの頻度が多く、歩行に異常が生じてしまう、

または、根本的な治療を望まれる場合は外科的治療をする事があります。

獣医さんの判断にもよりますが、グレード3から手術が推奨になります。

外科手術後は、ケージレストといい、狭い部屋(ケージなどに入れる)や

動きを制限して安静に過ごしてもらいます。

 

予防法

まずは、肥満気味の子は痩せさせる事がとっても大事です。

太りすぎてしまう子は膝に負担がかかってしまいます。

 

または、高い所からジャンプさせない。

フローリングは滑りやすいので転倒防止の為にマットを引くなど予防できる事は

予防しましょう!

また、爪や肉球の間の毛が伸びていたりすると歩行しづらく膝に負担がかかりやすいので

定期的に切る事をおススメします。

 

 

 

以前、勤めていた動物病院では、小型犬から大型犬まで何件も症例を診た事があります。

片足の膝蓋骨脱臼もあれば両足膝蓋骨脱臼してしまう子もいました。

術後のリハビリは少し大変ですが、やって良かった!と飼い主様はおっしゃっていました!

膝蓋骨脱臼は、よく見られる疾患で、

一生の付き合いになる事もあります。

予防をする事によって悪化するのを防げる事もあります。

 

一度、獣医さんに膝蓋骨脱臼の事を言われたら

気をつけましょうね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

横浜市鶴見区の動物病院 三ツ池動物病院
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