小動物も熱中症に気を付けよう!

6月になりました。

梅雨の時期が来ますね。

 

さて、去年はわんちゃんの熱中症について記事にしましたが、

最近はウサギやハムスターなどの犬猫以外の動物、

いわゆる『エキゾチックアニマル』と呼ばれる子たちの熱中症も増えています。

ペットショップでもハリネズミやフクロモモンガなど

珍しい動物を扱うところが増えてきて

飼育頭数が増えているというのも原因なのでしょう。

 

わんちゃんの熱中症はこちらをどうぞ↓

「熱中症に注意の季節です」

 

人間は全身の汗腺から汗をかくことで体温調節をします。

しかし、全身を毛で覆われた多くの動物たちの体には汗腺がほぼなく、

人間のように汗をかけないので体温調節がとっても苦手です。

さらに、ほとんどの小動物たちはケージの中で飼育されています。

いる場所が暑くてもケージの中の限られた空間しか移動することが出来ないので、

飼い主側がケージの設置場所、室温は気を付けてあげなければいけません。

 

 

飼育頭数の違いもあるのでしょうが、

エキゾの熱中症疑いでの来院件数が多いのが

ウサギちゃん、次いでハムスターちゃんです。

 

 

というわけで、まずはウサギさんから。
ウサギちゃんの特徴でもあるの長いお耳には放熱機能があります。

が、全身からの発汗程体温を下げてはくれませんし、

ネザーランド・ドワーフなどのお耳が小さいウサギちゃん

ホーランド・ロップのようなたれ耳のウサギちゃん

放熱がしづらいので特に注意が必要です。

 

熱中症になった時の症状としては、

まず、ウサギちゃん達は暑いとべたっと体を伸ばして寝て、

ハァハァと荒い呼吸をするようになります。

それから、熱中症が進むとよだれを大量に垂らし、お耳が赤く熱くなります。

さらに症状が悪化するとどんどん衰弱していき、意識障害を起こし、

最悪の場合は死に至ります

 

 

続いて、ハムスターちゃん。

体が小さい上、日中は隠れていることが多いので異変に気づきにくく、

気づいた時には既に亡くなっていた…という事もよくあります。

特にお子さんが子供部屋で飼われている場合は、

大人の目が届きにくいので要注意です。

 

熱中症は夏の突然死の一番多い原因です。

 

ロボロフスキーハムスターやジャンガリアンハムスターなど

北方原産のハムスターたちは特に暑さに弱く

熱中症に罹り易いため注意が必要です。

ゴールデンハムスターは砂漠出身のため、

上記のハムちゃんに比べると暑さへの耐性が多少あります。

とはいえ、高温多湿な日本の夏をエアコンに頼らず乗り切るのはほぼ無理です。

 

ハムちゃんが熱中症になった時の症状は

ぐったりして動かない、よろよろ歩く、などです。

 

 

フェレットちゃんも寒さには比較的強いですが

暑さとじめじめ湿気はとっても苦手です。

気温が28℃を超えるようなら注意が必要です。

 

 

ハリネズミちゃん・フクロモモンガちゃんは熱い地域が原産なので

ウサギちゃんに比べると暑さに耐性があります。

それでも気温30℃を超えるような日は室温を調整してあげる必要があります。

 

 

小動物さんの適温はだいたいこんな感じ↓

 

ウサギ:室温18℃~24℃ 湿度40%~60%

ハムスター:室温20℃~24℃ 室温40%~60%

モルモット:室温20℃~26℃ 湿度40%~60%

フェレット:室温15℃~23℃ 湿度50%前後

チンチラ:室温18℃~21℃ 湿度30%~40%

デグー:室温20℃~26℃ 湿度50%前後

ハリネズミ:室温24℃~30℃ 湿度40%以下

フクロモモンガ:室温24~28℃ 湿度50%前後

 

 

 

熱中症の対策としては

飼育ケージは直射日光の当たらない風通しの良いところに置いて、

エアコンは24時間ずっと付けていてあげて下さい。

ケージの上に保冷剤を置く、もしくは下に保冷剤を敷く、というのも有効です。

下に敷く場合は冷たくなりすぎることがあるので必ず逃げ場を作ってあげて下さい。

上に置くときも下に敷くときも保冷剤から水滴が出ますので、

タオルでしっかり巻いて使用しましょう。

 

また、新鮮なお水を常に飲めるようにしてあげて下さい。

 

扇風機は汗をかかない動物たちとっては体温を下げる効果はありませんが

エアコンと併用して室内の空気を循環させるという意味では有効です。

 

熱中症かな?と思ったらまずは病院に連絡、

それから水で濡らしたタオルなどで全身を包んであげて下さい。

意識があり、水が飲める状態であれば、新鮮な水を飲ませます

病院に来るまでのキャリーにはタオルで包んだ保冷剤を入れてあげて下さい。

 

小動物の熱中症は非常に早い経過をたどるため、なかなか助けられません。

連れて来られてすぐに処置をしても、命を落としてしまう子もいます。
運良く命を落とさずに済んでも、神経症状や腎不全など、

致命的な後遺症が残ることも多いです。

 

小さくても大切な家族!

一緒に健やかに過ごせるように、

少しでも長生きできるように頑張りましょう!

 

横浜市鶴見区の動物病院 三ツ池動物病院
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