こんにちは!
看護師の小岩です。
区役所から狂犬病予防接種の封書は届きましたか?
病院でも注射を打つことができますが、狂犬病予防注射済票をお渡しするのに必ず必要なので忘れず持ってきてくださいね
この時期は予防接種ラッシュになります。
何がなんやらわからーん!となってしまう人も多いことでしょう!
というわけで、今回はまじめにわんちゃんの各種予防について書かせて頂きます!!
○ワクチンとはなんぞや??
ワクチン接種の目的は、 毒性を無くしたか、あるいは毒性を弱めた病原体を、動物の体内にあらかじめ注入することで体内に抗体を作っておき、感染症にかからないよう予防すること、また、感染症にかかったときの症状を軽くすることです。
☆狂犬病ワクチン
狂犬病とは、狂犬病ウイルスに感染することで発症する病気です。
人獣共通感染症で、犬だけでなくヒトを含めたすべての哺乳類が感染します。
発病すると治療方法がなく、悲惨な神経症状を示してほぼ100%死亡する極めて危険なウイルス性の病気です。
世界では毎年約50,000の人と十数万の動物が発病死していると推定されています。
狂犬病予防法により、犬の飼い主には毎年1回の狂犬病予防注射接種が義務付けられています。
日本にはいないからいいやーとか言っていると実は罰金がかかったりします。
病気があって打ちたくない、打てない、という方は横浜市は獣医師の診断があれば免除・猶予の手続きができますので、ご相談ください。
☆混合ワクチン
感染力の強い、重大で死亡率も高い感染症を一度に複数予防できるワクチンです。
摂取は義務ではなく任意ですが、ペットホテルやトリミングを利用する際には必要になります。
また、ドッグランやペットと一緒に泊まれる宿泊施設等を利用するときに証明書の提示を求められる場合が多いです。
当院では5種、6種、9種 の3種類を取り扱っています。
なお、狂犬病ワクチンと混合ワクチンを同時に接種することはできません。
○狂犬病ワクチンを先に打つと1週間以上
○混合ワクチンを先に打つと3週間以上
の間を開けての接種になります。
○フィラリアって何者??
フィラリアとは蚊が媒介する寄生虫です。犬の心臓に寄生します。
見た目はそうめんのような糸状の虫で日本名は「犬糸状虫」
幼虫のころは肉眼ではほとんど確認できない大きさですが、成長すると30cmくらいになります。
想像してみてください。心臓に30cmの虫がうじゃうじゃ。うげー気持ち悪いですね。
マメ知識!
フィラリアの赤ちゃんは蚊の口から直接体内に注ぎ込まれるのではなく、
蚊が犬の血を吸うときに蚊から犬の体表に下りてきて、
血を吸った後の穴を探してそこからよいしょよいしょって体内に侵入するらしい。です。
せんもんがっこのせんせがいってました。
ほんとかな~?
ちなみに「犬 フィラリア」 でネット画像検索するとフィラリアに感染した心臓の画像が出てきます。
イラストとかじゃなくてリアルなやつです。
しばらくは麺類が食べれないような画像になってるのでグロ耐性ない人は注意ですよ~
だがしかしですね、この恐ろしいフィラリア、なんと!確実にきっちりお薬を投与することで100%の予防が可能と言われております!
やったね!もう怖くない!
最近は年一回打つだけでOKのお注射や、おいしいおやつタイプ、背中にちょこっと垂らすだけのタイプ等種類も様々です!
自分のライフスタイルと家計と愛犬ちゃんに合ったタイプのものを選んであげましょう!
横浜市での予防期間は5月~12月です。
基準は蚊が出始めてから1か月後から蚊が出なくなってから1か月後までです。
だから、横浜ではこの期間ですが、一年中あったかい沖縄なんかでは通年予防が推奨されているんですって。たいへんだ。
ノミ・ダニってどんな奴???
名前は知ってる。
見た目もなんとなく知ってる。
で?何?ついたらどうなるの?
って方結構いるのではないでしょうか?
実は怖い奴らなんですよ。ノミ君とダニ君。
というわけでまずはノミから。
ノミたち夏場のみ活動してると思いきや意外と丈夫で、13度以上で活発に行動するようになります。
そして、メスは一日で最大50個ものタマゴを産みます。
恐ろしいですね。
なので、もし一匹見つけたら周囲には50個の卵が落ちてると思ってください。
脅しなんかじゃありません。ガチです。
ノミがつくととうなるか。
ご想像の通り、痒くなります。
それがこちら↓
この皮膚炎、人間もなります。
人間(成人)の場合、膝から下に湿疹とかゆみの症状が出ることが多いようです。
「飼い犬は腰が痒い、なんか黒いつぶつぶがある。
なんか私も脛やふくらはぎが痒い、湿疹があるわ。」
はい、アウト!
すぐそれぞれ病院に行ってください。
また、ノミは瓜実条虫という寄生虫を媒介することもあります。
こいつ、別の名前もありまして、こっちの方が耳にしたこともあるでしょう。
瓜実条虫、別名『サナダムシ』
消化管に寄生します。
下痢や軟便、腹痛等を引き起こします。
ペットから飼い主へ、はなかなかレアケースですが、サナダムシは人にも寄生します。
わんちゃんねこちゃんのうんちや肛門周りに米粒のようなものがついていたら注意です。
それは、条虫の卵の詰まった片節かもしれません。
続いてダニ君。
意外とそこらへんにいます。
公園や河原など草むらに潜んでいます。
葉っぱとかからピョンと動物の体に飛んでくっついて血を吸います。
顎でがっちり固定して吸血していますので、もし愛犬にマダニがくっついてるのを見つけてもつまんで取ろうとしないでください。
無理に引っ張ると顎の部分だけ残ってしまったり、メスは卵をまき散らす可能性があります。
なんかついてる!ってなったらあわてず病院に連れてきてくださいね。
間違っても潰したりしないで!!
で、マダニ君、何が怖いのか。
怖い病気を媒介します。
その① バベシア症
バベシアという原虫が原因で、重度の貧血を引き起こします。
最悪の場合死に至ることも…。
その② ライム病
レボリアとい細菌が原因で起こります。
こちら人間にも感染します。
症状は、発熱、食欲不振、神経症状などです。
どっちも怖いですね。
そんな恐ろしいダニ君ですが、実は三ツ池動物病院の1番診察室(奥の広い方の診察室)にいます。
回虫と一緒にホルマリン漬けの瓶詰されてます。
通称:ダニコレ(マダニコレクションの略。スタッフが勝手に呼んでる)
良ければ見てみてくださいね。
多分ドン引きます。
さて、ずらずらーっと書かせて頂きましたが、ここまでお読みくださった皆様、大丈夫ですか?
ついて来れてます?
この時期は予防しなければならないものがいっぱいでわけわかんなくなっちゃう人結構います。
ので、はー?もうよくわかんねー!って人はお気軽に病院までお問い合わせください。