猫エイズ(FIV)

 

こんにちは!動物看護師の片野です!

皆様、いかがお過ごしでしょうか?

夏バテ、熱中症にならないように、

こまめに水分補給・睡眠・栄養のあるご飯食べて

今年の夏を乗り切りましょうね!!

 

 

さて、今回は猫エイズについて書いてみようかと思います。

皆さんは、猫エイズについてご存知ですか?

人もエイズはありますよね。

猫ちゃんもエイズはあるんです。

猫エイズの正式名所は『猫免疫不全ウイルス症候群』または『猫後天性免疫不全症候群』。

私たちがよくカルテに記載する時や、医療用語ですと『FIV』と呼んでいます。

 

人のエイズの原因とされるHIVと同じく

レンチウイルス属』に分類され、よく似たウイルスになります。

 

ただ、猫エイズは人には感染せず、猫から猫への感染です。

人のエイズも人から人への感染なので動物には感染しません。

一度、そのウイルスが体内に入ってしまうと、完全に排除できません。

 

どこから感染するのでしょうか??

猫エイズ(FIV)に感染してしまう猫ちゃんは室内猫に比べて外猫に多いいんです。

ウイルスを持っている子と喧嘩しその唾液が傷口から体内に入る事で感染してしまいます。

 

飛沫感染ではありません。

ただ、同居の猫ちゃんが猫エイズに感染していたら、

避妊・去勢手術をしていなければ手術をする

同じ食器にしない

トイレを分ける

部屋を分ける

ストレスをかけない

具合が悪ければすぐに病院に来院する

 

発情のシーズンになると喧嘩が多くなり、感染するケースが多くなります。

 

さて、どのような症状が起きるのでしょう。

猫エイズ(FIV)は5つのステージがあります。

進行はとってもゆっくりなんです。

 

急性期

→感染から1~数か月は発熱・リンパ節の腫れ等の症状が出ますが、

その子によって症状は違います。

 

キャリア期

→①の急性期が過ぎると、体内にウイルスはありますが、無症状です。

数年症状が出ない事があります。

 

持続性全身リンパ節症期

→全身のリンパ節の腫れが生じます。

これは大体1~2か月程度続く事があります。

 

エイズ関連症候群期

→免疫力が低下し、リンパ節の腫れ・口内炎・風邪のような症状・慢性的な下痢・皮膚炎等

様々な症状が出ます。

 

※口内炎の症状が出る子は結構多いいです。

食欲はあるのに口が痛そうでごはんが食べれなくなってしまう。

進行するとヨダレが増えたり口臭が増す。

口の中が痛くて毛づくろいの回数が減って毛並が悪くなってしまうケースがあります。

 

エイズ期

→食欲が落ち、体重減少・貧血・脳炎・悪性腫瘍の発生・日和見感染

免疫力が落ちてしまうので、空気中の常在菌に対して抵抗力が無くなってしまうので

皮膚の感染や下痢・吐き気などの消化器症状が出ます。

最終的には死に至ってしまいます。

 

 

※猫エイズに感染している猫が妊娠した場合、子猫は感染するのでしょうか??

母猫が②のキャリア期でであれば、子猫は感染しないケースがあります。

キャリア期から生まれた子猫は抗体を持っているので、血液検査では陽性でも

体内にはウイルスを持っていないケースがあります。

 

 

一度、陰性と確認されても1~2か月後には陽性と出る事があるので

猫エイズの症状っぽい子や、同居の子猫の場合や

猫エイズに感染している子がいる場や

生後6か月未満の子猫は再検査をすることをオススメします。

生後8か月の時に再検査して陽性なら猫エイズに感染している可能性が高いです。

 

 

次は治療についてです。

残念ながら猫エイズの薬は無く、対症療法になってしまいます。

例えば、口内炎がひどく痛くてご飯が食べれない時は、

抗炎症薬(ステロイド)や鎮痛剤を使用したり。

 

日和見感染している場合は抗菌剤や抗真菌薬を使用したりします。

また、リンパ腫の場合は抗癌剤治療をする場合もあります。

 

全身の免疫力が低下してしまう為、抗生剤やインターフェロンを使用する事もあります。

 

感染しない為、または、キャリア期でも発症させない為に

予防法はいくつかあります。

①室内飼育にする

②ストレスを溜めない

③栄養のある食事

です!!

 

 

当院のyoutubeに猫エイズについてUPされているので是非そちらもご覧くださいね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

横浜市鶴見区の動物病院 三ツ池動物病院
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